マセラティグランスポルトクラッチ、エンジンマウント交換
2012年09月19日
横浜市在中のY様。
当社オープン以来お世話になっております。
ギアが入らなくなったとのご連絡を頂き入庫頂きました。
症状を含めてご紹介致しますので、参考にして頂ければ幸いです。
1,トラブル内容
(1)ミッション関係
・ニュートラルからギアを入れようとすると、ギアが入らない。
・パドルを引きっぱなしにすると、車が前に進むようなショックが発生
する。
・かなり長い時間パドルを引きっぱなしにすると、何とかギアが入る。
・発進は可能だが、クラッチが滑っているような感じで焦げくさい臭いも
する。
・停止するとギアがニュートラルになってしまう。
・バックギアに入らない。
(2)油圧エラーが発生する。
・加速中にエラーの赤ランプが点灯する。
1,ギアが入らない
ギアが入らない場合は、以前もご紹介したとおり代表的な事例として2つの
原因が考えられます。
(1)カンビオポンプ不良
(2)クラッチスプリング折れ
これ以外にも多数原因となるものはありますが、上記2点を頭に入れておい
て頂ければトラブル発生時の役に立つと思われます。
今回の症状はギアを入れようとするが、弾き返されギアが入らない。
パドルを暫く引いていると入るようになる。
→クラッチスプリング折れの症状
カンビオポンプ不良の場合
ギアが全く入らない。入ろうとする気配も無い。
ニュートラルにも入らず、最悪ギアが噛み込んだままになる。
では作業の様子をご覧ください。
今回もクラッチを下から覗き込むと、スプリングの間隔がおかしい箇所が
見つかりました。
これが折れたスプリングです。
この写真では良く分かると思います。
1箇所だけ等間隔になっておらず、スプリング同士がくっついている
所が左側に確認出来ると思います。
更にアップします
スプリングの根本をご覧ください。
割れているのが分かると思います。
写真のように1本折れただけでギアが入らなくなってしまいます・・・・
エンジンマウントはクラッチと同時交換することで、工賃が抑えられます。
以前よりエンジンマウントの交換依頼を受けておりましたが、この機会に
一緒に交換しました。
左:新品 右:使用済
かなり潰れているのが分かると思います。
エンジンマウントが劣化してくると、振動等がボディーに伝わり異音の発生
原因にもなります。
オイルプレッシャセンサー
オイルプレッシャーセンサーにトラブルが発生すると、インパネ内の油圧計の
動きがおかしくなり、最終的にはエラーが点灯するようになります。
症状としては加速中に油圧が落ち、エラーが発生します。
殆どの場合センサーの不良で発生してますが、油圧のエラーが出ると精神的
にとても悪いので交換しております。
センサーの交換はクラッチ交換と同時施工すると工賃が抑えられます。
グランスポルトの場合、オイルプレッシャーが写真の位置にあるため、
交換作業がとても大変です。
写真は通常クラッチが収まっている箇所です。
オイルプレッシャーセンサーを取り外す為には
上からでは工具が入らず・・・・・・
下からは作業するためには、マフラー、トルクチューブ、ベルハウジングを取り
外さないと無論工具どころか、見ることも出来ません。
クラッチ交換を行う時であればこれらの物を取り外していますので、工賃が
抑えられるのがご理解頂けると思います。
パーツはこちらです。
小さなパーツなんですが、交換は手間が掛かります。。。
油圧異常はパーツ交換で無事直りました!
今回交換したクラッチ関係のパーツ一式。
フライホイール
クラッチ
スラストベアリング廻り
組み立ててベルハウジングに装着して完了です。
上記作業を行い、トラブルは無事全て収束いたしました。
Y様ありがとうございました!今後も宜しくお願い致します。
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