クアトロポルテ デュオセレクト クラッチ交換+メンテナンス
2017年08月12日
クアトロポルテ デュオセレクト クラッチ交換+メンテナンス
弊社HPをご覧いただき、ご来店くださいました。
最近車を買ったのですが、振動、クラッチのつながり等でしっくり来てないような感じなので、12カ月点検整備を実施の上必要な個所をメンテナンスしたいとのご要望を頂きました。
点検の結果クラッチ交換が必要であったためクラッチ交換を行い、他緊急性がある個所のメンテナンスを行いましたのでご紹介致します。
作業内容
1,クラッチ一式交換
2,カンビオポンプ交換、カンビオユニットホース交換
3,タペットカバーパッキン交換
4,エンジンマウント交換
1,クラッチ一式交換
テスター診断を行なったところクラッチウエア(クラッチの使用率)が100%となっており、目視点検においてもかなりの摩耗が見られたため交換をいたしました。
今回交換したパーツです。クラッチコンプリート、フライホイール、クラッチセンサー、スラストベアリングを交換していきます。
クアトロポルテのクラッチにアクセスするにはトランスミッション、トルクチューブを車両から降ろす必要があります。
ドライブシャフト、トルクチューブとミッションを切り離していきます。
トランスミッションが降りてきました。写真奥、車両中央についているのがトルクチューブです。
トルクチューブを取り外し、ベルハウジングを取り外すといよいよクラッチコンプリートが姿を現します。
クラッチコンプリート、フライホイール、パイロットベアリングを交換していきます。
上の写真がクラッチコンプリート、下の写真がフライホイールです。
クラッチコンプリートは厚みが無くなり、溝も浅くなっています。フライホイールは焼きが入り、まだら模様になっています。フライホイールは熱が入ると、表面にゆがみが出てきます。「クラッチコンプリートを交換したのに、クラッチジャダーが出てしまう...」といったトラブルが無いよう、必要なパーツをしっかり交換していきます。
ベルハウジングの方では、スラストベアリング、クラッチセンサーを交換していきます。
車両側、ベルハウジング側のメンテナンスを行い、車両に組み付けていきます。
2,カンビオポンプ交換、カンビオユニットホース交換
カンビオポンプは長らく交換されていなかったため、交換いたしました。ミラコラーレでは作動音が小さかったり、前回交換時期から時間が経っている場合はクラッチ交換と同時に交換することをオススメしています。
今回はカンビオポンプ交換に加えてカンビオホース、カンビオユニットホースを交換をし、トランスミッション全体のメンテナンスを行います。
今回交換するカンビオホースとカンビオユニットホースです。
ミラコラーレオリジナルホースは耐久性を向上させるため、シリコン製としています。
カンビオポンプとカンビオオイルタンクを繋ぐカンビオホースは大きくカーブしています。このカーブした部分に大きな負担がかかり、劣化が進んでしまいます。
車両から取り外したカンビオホースは大きく亀裂が入り、今にもオイルが漏れてしまいそうでしたので、新しいカンビオホースに交換していきます。
カンビオユニットホースも亀裂が入り、劣化が進行していました。
カンビオポンプが正常であってもホースに不具合があると漏れなどが生じ必要な圧力をかけることが出来なくなります。
又この部分は避けてしまいカンビオオイルが漏れてしまい、圧が掛からなくなり、変速できない経年劣化によりトラブルも最近は多く発生しております。
普段はトランスミッションの陰に隠れており、点検するのが難しい部分でもあります。普段はトランスミッションが車両から切り離される機会は少ないため、隅々まで点検とメンテナンスしていきます。
カンビオユニットへ続くハーネスも被覆部がボロボロになっていました。二次災害が発生しないようしっかりメンテナンスを行います。
断線や熱害などのトラブルを防ぐため、ハーネスを保護していきます。
隅々までクリーニング、メンテナンスを行い、カンビオポンプ、カンビオホースの交換は完了です。
3,タペットカバーパッキン交換
タペットカバーパッキンの劣化によりエンジンオイル漏れを起こしていたためパッキンの交換を行います。タペットカバーのすぐ下にはエキマニがあり、走行中は高温になります。そこへエンジンオイルが垂れると煙や異臭が発生します。最悪の場合車両火災にもつながる事もありますので、注意が必要です。
まずはエンジンルーム内のホース類を取り外し、タペットカバーを取り外します。
取り外したタペットカバーのクリーニングを行います。
特にパッキンが接触する部分は異物などが入るとオイル漏れの原因となる為、入念にクリーニングしていきます。
タペットカバーのクリーニング後、パッキンを交換していきます。
今回はプラグホールパッキン、スパークプラグも交換します。
タペットカバーは内側、パッキン部分に加えて、外側もしっかりクリーニングします。長年の汚れがたまり、くすんでしまったタペットカバーも、クリーニングすることで鮮やかなレッドに生まれ変わります。
エンジン側のクリーニングも完了したところで、タペットカバーを装着していきます。
タペットカバーとエンジンとの隙間ができぬ様、慎重に取付けを行います。
ホース類を取り付け、maseratiプレートを装着すると、タペットカバーパッキン交換は完了です。
4,エンジンマウント交換
エンジンマウントは、かなり劣化しておりエンジン搭載位置もかなり下がっていたため交換を行いました。
エンジンマウントが劣化すると、振動や異音の増加だけではなく、エンジンの搭載位置が下がってしまう事で、ハーネス類が引っ張られ断線してしまう二次災害の可能性もあるので注意が必要です。
新品のエンジンマウントです。ゴム部分にしっかりとした厚みがあるのが分かります。
取り外したエンジンマウントはゴム部分が取れてしまうほどボロボロになっており、かなり劣化が進んでいました。
実際エンジン始動時に大きな振動と異音が出ていたため、即エンジンマウントの劣化が分かるほどでした。
新品のエンジンマウントと比較すると取り外したエンジンマウントはゴム部分が完全に潰れてしまっているのが分かります。
エンジンマウントを交換したことにより、振動や異音も消え、安心して走行出来る様になりました。
以上ですべての作業が完了です!
納車後、オーナー様より喜びのお電話を頂きました。
「振動と異音が無くなった」
「クラッチの繋がりも良くなり、スパッと変速するようになった」
「アイドリング時の異臭も無くなった」
などメンテナンスを行った箇所の多くでその違いを実感できたと、大変喜んで頂きました。
この度は入庫頂きありがとうございました。
今後もよろしくお願いいたします。
マセラティのメンテナンス、カスタムはミラコラーレにお任せください。
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