グランスポルト 10th アニバーサリー メンテナンス日記
2018年02月11日
グランスポルト 10th アニバーサリー メンテナンス日記
憧れのグランスポルトを購入されたお客様から「これから長く、大切に乗りたいので、点検とメンテナンスをお願いします」との事で入庫頂きました。
今回ご紹介するグランスポルトは10th Anniversary なので登場が2007年とグランスポルトの中で比較的新しい車両ですが、それでも生産から10年以上経過していることになります。そろそろ長い月日で消耗品をはじめ、各部位に疲れが見えてきます。
しかし、ミラコラーレではグランスポーツをはじめ4200系、まだまだ現役です!
10年以上経過したクーペ、グランスポルトもしっかりメンテナンスしリフレッシュさせてただきます!
「クーペ、グランスポルトに乗っているけど、いまいちパリッとしない」とお悩みのオーナー様、お気軽にお問い合わせください!
今回は油脂類交換やエアクリーナーなどの消耗品交換に加えて以下のメンテナンスを行いました。
〜メンテナンス箇所〜
1、ステアリングラックブーツ交換
2、ファンレジスター交換
3、フロントアッパーアームボールジョイント交換
4、エアマスセンサー・インテークスリーブ交換
5、スパークプラグ交換
6、ドライブベルトテンショナー・アイドラー交換
7、エンジンマウント交換
8、セカンダリーエアポンプ交換
9、カンビオポンプ交換
10、ブレーキスイッチ交換
11、フロントバンパーエンブレム・グリルトライデントペイント
〜カスタマイズ箇所〜
12、Formula Dynamics カンビオECU装着
以上の箇所をメンテナンス、カスタマイズをさせていただきました。
それではメンテナンスの様子をご覧ください。
1、ステアリングラックブーツ交換
ステアリングラックを保護しているステアリングラックブーツ。ステアリングラックに異物が混入すると重大なトラブルに発展する可能性あるため、ブーツの破損を発見した際には交換を強くオススメしています。
また、ステアリングラックは重要保安部品ですので車検時には必ずチェックされる重要なパーツです。
ブーツに亀裂が入り、グリスが出てきています。
新品のブーツに交換していきます。
新品のラックブーツはしっかり柔軟性があり、ステアリング操作時もしっかりと伸縮します。
交換のために取り外したスタビライザーを装着し、ステアリングラックブーツ交換は完了です。
2、ファンレジスター交換
ラジエターファンを制御するファンレジスター。
新車時に装着されている旧タイプのファンレジスターは部品自体が発熱し、高温になります。
最悪の場合、車両火災につながる恐れもあるため、対策品への交換を強くオススメしております。
今回の車両も新車時からの旧タイプの部品が装着されていました。
写真右側のブラックのパーツが旧タイプ、左側のオレンジのパーツが対策品のファンレジスターです。
旧タイプのファンレジスターは緑色の被覆が剥がれ、熱線がむき出しになっています。
また、熱線も焼きが入り部品が高温となっていたことがわかります。
対策品をラジエターファンに装着し、ファンレジスター交換は完了です。
3、フロントアッパーアームボールジョイント交換
フロントアッパーアームボールジョイントも重要保安部品の一つです。ブーツに亀裂などが入ると、中からグリスが出てしまい、ジョイント部分をしっかり保護できなくなってしまいます。
また、劣化したフロントアッパーアームボールジョイントは走行時の異音にもつながりますので、破損している場合は交換をオススメしています。
フロントアッパーアームを切り離します。写真中央のジョイント部分を交換していきます。
写真左側が装着されていたボールジョイント、右側が新品のボールジョイントです。
装着されていた物は、ブーツ部分が破れ、グリスが滲み出ています。
新しいボールジョイントをアッパーアームに到着し、組み直していきます。
取付け後、ブレーキホースやパッドセンサーハーネスなどのしっかり固定し、アッパーアームボールジョイント交換は完了です!
4、エアマスセンサー・インテークスリーブ交換
エンジンが吸入する空気量を測定するエアマスセンサー、測定後の吸入空気をスロットルボディに繋ぐインテークスリーブ。どちらもエンジンを作動させる上で重要なパーツです。
コネクターが装着されているのがエアマスセンサー、蛇腹形状のパーツがインテークスリーブです。
エアマスセンサーは正確な吸入空気量を測定できず、エンジン不調を起こしていたため交換を行います。
インテークスリーブは経年劣化により硬化し、亀裂が発生していました。
亀裂等の破損は二次エアーの吸い込みなど、エンジン不調の原因にもなります。
柔軟性のある、新しいパーツに交換していきます。
エアマスセンサー、インテークスリーブを取り外すと、スロットルボディが現れます。
スロットルボディ内部を見るとブローバイやエンジンオイルなどの汚れが溜まっていました。
トラブルに発展しない様、クリーニングを行います。
普段は目にすることのない箇所ですが、補修、クリーニングなど細部までメンテナンスを行う事で、トラブルと数を減らすことができます。
5、スパークプラグ交換
エアマスセンサー不良により、正確な吸入空気量が測定でき無い為、エンジン不調を起こしていました。スパークプラグにも大きな負担がかかり、カブリが発生していましたので交換していきます。
イグニッションコイルを取り外し、スパークプラグを交換していきます。
長い間、過酷な状況下で使い込まれたことが、取り外したプラグからも分かります。
エアクリーナー、エアマスセンサー、スロットルボディの吸気系とスパークプラグを交換したことにより、アイドリングも安定し吹け上がりも滑らかになりました。
6、ドライブベルトアイドラー・テンショナー交換
オルタネーターやパワーステアリングポンプなど作動させているドライブベルト。近年ドライブベルトの不良、破損によるトラブルが増えています。
ベルト本体の破損の以外にも、アイドラー(プーリー)の破損でもお車が不動になってしまう為、ベルトに付随するテンショナー、アイドラーのメンテナンスも重要です。
今回のグランスポルトは、ドライブベルトは新しい物が装着されていましたので、テンショナーとアイドラーの交換を行いました。
7、エンジンマウント交換
エンジンのアイドリング時や走行時にエンジンの振動が大きく感じる方も多いのではないでしょうか。
エンジンマウントの劣化は、エンジンの振動をしっかり吸収することができず車内までエンジンの振動が伝わってしまいます。劣化がさらに進むとエンジンブローしてしまったのではないかと間違える程、酷い振動となってしまいます。
またエンジンマウントの劣化はエンジン搭載位置が下がってしまう為、ハーネス類などにテンションがかかり、断線などの二次災害につながる恐れがあるので、注意が必要です。
エンジンを支える2つのエンジンマウントの交換を行います。
写真左側が新品のエンジンマウント、右側が装着されていたエンジンマウントです。
長年エンジンを支えてきたエンジンマウントは黒いゴム部分が潰れてしまい、エンジンの振動をしっかり吸収することができなくなっていました。
新しいエンジンマウントに交換することで、エンジンの振動を吸収するとともに、正しい搭載位置でエンジンを保持することができます。
8、セカンダリーエアポンプ交換
エンジン始動時など不完全燃焼ガスの処理を補助するセカンダリーエアポンプ。
ポンプからのエア漏れはチャックエンジンの原因にもなります。
また、劣化により作動音が大きくなったり、作動時の振動が大きくなる場合があります。
今回はポンプ本体からエア漏れを起こしていたため、ポンプ本体を交換していきます。
取り外したセカンダリーエアポンプです。
ホンプ本体のつなぎ目から、エアーが漏れていました。
新しいポンプに交換することで、しっかりとエアーを送風することができます。
9、カンビオポンプ交換
ギアの操作やクラッチの断続などセミオートマ車において重要な役割を担っているカンビオポンプ。走行中はもちろん、運転席のドアを開けた時、キーをONにしたときなど多くの場面でカンビオポンプは作動しています。
カンビオポンプの不良はお車が不動となってしまうトラブルに直結する為、定期的なメンテナンスをオススメしています。
ミラコラーレでは交換履歴のみではなくポンプ本体の目視点検、作動音などからカンビオポンプの点検を行います。
今回はポンプ交換に加えて、ホンプに接続する「カンビオホース」と「カンビオユニットホース」を交換していきます。
カンビオポンプはトランスミッションに装着されています。
ポンプ交換を行う為、ミッションを車両から切り離して作業を行います。
取り外したカンビオポンプは作動音も小さく、長らく交換されていませんでした。
ポンプの外観からも長い間使用されていたことが分かります。
マセラティはリアの限られたスペースにミッションが装着されているため、カンビオポンプ周辺も狭いスペースに収まるよう設計されています。
そのため、ポンプを繋ぐカンビオホースは特殊な形でカーブしています。
取り外したカンビオホースはカーブ部分に負荷が掛かり、ひび割れが発生していました。
カンビオホースの破損は、カンビオオイルが漏れてしまいギア操作ができなくなってしまいます。
そこでミラコラーレはオリジナルでカンビオホースを開発いたしました。
今では多くのカンビオコルサに装着頂いている「オリジナルカンビオホース」
形状や素材を見直すことで、耐久性を向上させています。
カンビオユニットホースの交換を行い、トランスミッションへ組み付けていきます。
組み付け後、カンビオオイルの補充、オイル内のエア抜きなどを行います。
オイル内のエア噛みは「ギア抜け」や「ギアが入らない」などのトラブルにつながる為、入念にエア抜き作業を行います。
メンテナンス後、テストを行いカンビオポンプ交換は完了です!
10、ブレーキスイッチ交換
入庫時、たまに「N」から1速にギアが入らないとのご相談を頂きました。
グランスポルトはブレーキペダルを踏んでいないとギア操作ができなくなる「セーフティ機能」がついています。ブレーキを踏んでいるかの判断はブレーキスイッチが行いますが、ブレーキスイッチに不良があると、ブレーキをしっかり踏んでいても、セーフティ機能が作動してしまうことがあります。
ブレーキペダルに装着されているブレーキスイッチを交換します。
交換することで、車両はブレーキを踏んでいることをしっかり認識し、ギア操作を行う事ができます。
11、フロントバンパーエンブレム・グリルトライデントペイント
フロントバンパーエンブレムの交換とフロントグリルトライデントのレッドラインをリペアしていきます。
エンブレムは新品のパーツに交換します。
フロントグリル内のトライデントはレッドラインをペイントしていきます。
鮮やかなレッドをペイントすることで、本来のスポーティさが復活します。
ワンポイントではありますが、これだけで車の印象がガラりと変わるので不思議です。
ボディ周りもしっかりメンテナンスさせて頂きました!
12、Formula Dynamics カンビオECU装着
メンテナンスがしっかり完了した所で、カンビオECUのインストールを行います!
多くのマセラティオーナー様に好評をいただいているFormula DynamicsカンビオECU。取り扱いを始めて約10年になりますが、未だに多くのお客様から、お問い合わせ、オーダーを頂いております。
滑らかな変速と、アクセルレスポンスの良さなど、一度装着したら無しではトライブできない程、優れた商品です。半クラッチが短くなることでクラッチを長持ちさせることもできますので、セミオートマ車をお乗りのすべてのオーナー様にオススメのパーツです。
カンビオECUはサブコンタイプのECUですので、万が一不具合などのトラブルが発生した場合はすぐにノーマル状態に戻すことができます。
もちろんテスター診断にも影響はありませんので、ご安心ください。
エンジンECUのハーネスにカンビオECUのハーネスを割り込ませていきます。
ハーネスの加工
が完了後、テスト走行を行い「マッピング」を行います。カンビオECUは装着しただけでは本来の性能が発揮できません。
ミラコラーレではカンビオECU装着後の「マッピング」、「PIS調整」までしっかり行います。
マッピングを行う事で、装着前とは違うクルマになったような滑らかなシフトと鋭いレスポンスに変わります。
クルマが一回り小さくなったかの様な軽快なドライビングを楽しんで頂けると思います。
今回はブーツ類からカンビオポンプ交換まで、走行するために重要な箇所をしっかりとメンテナンスさせて頂きました。
この度は入庫頂き、ありがとうございました。
これからのマセラティライフをお楽しみください!
今後もよろしくお願いいたします。
マセラティのカスタマイズ、メンテナンスはミラコラーレにお任せください!
株式会社 ミラコラーレ
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