マセラティクアトロポルテスポーツGTクラッチ交換
2012年03月30日
都内在中のN様。
スポーツGTを購入されてから、主治医不在でそろそろメンテナンスをしなくて
はとご相談頂き、当社のメンテナンスの考え方をご説明をさせて頂いたとこ
ろ、気に入って頂き主治医として初のお仕事をオーダー頂きましたのでご紹介
致します。
お車購入後メンテナンスを行っていないに等しいとの事で、法定12ヶ月点検
にてメンテナンス箇所をピックアップし、下記作業をピックアップしメンテナンス
させて頂きました。
1,作業内容
クラッチ交換
タペットカバーオイル漏れ修理
プラグ交換
ブレーキ、パワーステアリング、冷却水交換
ポーレンフィルター交換
ブレーキローター交換
冷却水ライン水漏れ修理
冷却水ライン交換
トランク開閉不良修理
カンビオECU装着
1,タペットカバーオイル漏れ
タペットカバーからのオイル漏れは漏れ止め剤で止められる箇所では無いた
めガスケット交換となってしまいます。
又漏れたオイルが触媒に垂れる事が多いため、ある程度の漏れ量になったら
メンテナンスを行うことをお勧め致します。
左バンク
今回もヘッドカバーは綺麗に清掃させて頂きました。
皆様に非常に喜んで頂けるため、ヘッドカバーのクリーンアップ方法も
日々進化しております^^
ヘッドカバーの裏側
真ん中の丸いのがプラグホールガスケットになります。
ヘッドカバーガスケット
右バンク
こちらも綺麗に磨き上げて装着します。
ヘッドカバーを外すとき、プラグを取り外すのでイリジウムプラグへの
交換をお勧めしておりません(プラグ交換工賃が発生しません)
補記類を装着して完了です。
ラジエーター水漏れ/冷却水配管交換
点検中ラジエーターからの水漏れが見つかりました。
最悪ラジエーター交換か??????とお客様とドキドキしていたのですが
幸いな事にラジエータ本体のトラブルではありませんでした。
水漏れの原因はこれです。
クーラントのドレンプラグのOリング割れによるものでした。
左:新品 右:破損したもの
パーツ交換にて水漏れは無事止まりました。
水のトラブルはオーバーヒートに直結するのでとても怖い箇所です。
ガレージを出られる時、出来れば下回りを確認する事をお勧め致します。
冷却水ホース劣化
冷却水ラインが劣化により膨れていました。
このまま劣化が進むと映画エイリアンのように縦に破裂し冷却水が吹き出し
ます。
クラッチ交換
N様より交換作業を是非見学したいと、ご要望頂き全行程をご覧頂きました。
作業工程を見たいとのご要望は多数頂戴致しますが、当社では基本的に
ウエルカムですので入庫時にその旨お伝えください。
おもてなしは出来ませんが、写真撮影も無論OKです。
下が見学中のN様です^^
まずマフラーを取り外します。
真冬なのに気合いが入っている堀口は袖をまくって作業を行っています。
トランスアクスル、トルクチューブを下ろします。
見学される方は必ずトルクチューブの重さを確認します^^
クラッチハウジングを外すとクラッチが顔を出します。
クラッチを外すとフライホイールが見えてきます。
今回交換したパーツ一式。
通常のクラッチ交換より1点パーツが多いのは、スラストベアリングから
オイル漏れがあっためです。写真の左下の青いネットが掛かっている
ベアリングサポートフランジを交換しています。
これがベアリングサポートフランジです。
オイル漏れはクラッチ交換前に確認していましたが、取り外すとスラストベアリ
ング部分及びハウジング内は漏れたオイルでベトベトでした。
今回の車はスポーツGTですが、スポーツGT、エクゼクティブGTそして後期
型と呼ばれるクアトロポルテと前期型との違いをご覧ください。
前期型クラッチ
後期型のクラッチ
2枚の写真の違いが分かりますか?
下の写真はクラッチのスプリングの根本部分にくぼみがあります。
前期型では、根本の部分が折れてしまうトラブルが発生していましたが
後期型はくぼみを設けることで弾力性を上げトラブルを回避しています。
見学中のK様が一番驚いた作業をご紹介致します。
写真はクラッチを抱きしめているのではなく、クラッチのセンター出しを行っています。これも本来やらなくても良い作業なのですが、交換後のスムースなつ
ながりを出すために、一度クラッチをバラシてセンター出しの作業を必ず行っています。
メーカー出荷時点のクラッチのセンターがずれているから行っているのですが
K様曰くこれをフィールドでやらせるのはどうなんだろう?と・・・・・・
左:交換前クラッチ 右:新品クラッチ
左端の溝の違いが分かりますか?
フライホイール、クラッチを装着
ベルハウジングを装着します。
堀口の力の入り具合から重さが想像出来ると思います。
クラッチ交換を毎日の様に行っている堀口から、最近シップの臭いが常に
漂っております・・・・・・・・
納車後にお客様から良くなったよ!ありがとうと言われるだけで、
疲れも痛みも吹っ飛ぶと言っております。
いつも暖かいお言葉を頂き本当にありがとうございます。
装着完了です
トルクチューブを装着
カンビオポンプを交換します。
このポンプが悪くなるとギアが入らなくなり、不動となってしまいますので
作動音が弱いな・・・・と思ったら早めの交換をすることをお勧め致します。
特に外気温が上がってくるこれからの季節はトラブルが発生しやすい傾向に
ありますので要注意箇所です。
左:使用済み 右新品
焼けているのが分かると思います。
ホースも純正品はすぐにひび割れてオイル漏れを起こすので
オリジナルのシリコンホースに交換します。
作業が完了したら、テスターを車内に持ち込み、実走で半クラッチのタイミング
を最適に調整して作業完了完了です。
ポーレンフィルター(花粉フィルター)
HPを見られたお客様から、交換してと良く言われるパーツです。
交換後のフィルターを見られて、俺のもやっぱり汚れてたか・・・と必ず言わ
れる部分です。
最近はガソリンスタンドでも1年毎に交換をお勧めしますと書かれているのを
見かけますが、花粉症の方は特にこまめな交換をお勧め致します。
トランク開閉不良修理
リモコンキーでトランクの開閉が出来ない、開いても直ぐにしまってしまうと
いうトラブルが多く発生しています。
こちらは簡単にメンテナンスできます。放置しておくと最後は手動でも開かなく
なってしまいますのでご注意ください。
カンビオECU
クラッチ交換に合わせて寿命を長くし変速速度をアップしたいとのご要望で
装着頂きました。
スポーツGTはノーマルモデルよりも、メーカー出荷時点で変速速度は速いで
すが、カンビオECUを装着すると体感できるほど速くなります。
インストールは標準のECUラインにカンビオECUを割り込ませる形で
施工します。
これで今回の作業は全て完了です。
納車後インプレを頂戴しましたのでご紹介致します。
「 発進時の劇的な改善 (車が軽くなったように感じます)
シフトアップ,ダウンともにクラッチの繋がり時間の短縮
極低速から加速する時のジャダーの解消
すべて実感できております.
特に Sport モードにし,少し元気に加減速した時の繋がりは特筆もので,
全くショックを感じることがありません.だいたいこの辺にチューニングして
いただいているのかなというのが感じられます.
また,シフトダウンが短時間に完了するので,ブリッピングが短い時間で終わ
るように感じられ,結果としてフライホイールが軽く なっているかのような感触
も得られます.
これで,クラッチのライフが延びるのであれば,ECU は必須アイテムと言えるのではないでしょうか?
交換作業の見学もとても楽しく,お金払っても見る価値あるかも?と思えるも
がありました.
今後とも引き続き何卒よろしくお願い致します。」
N様ありがとうございました。
作業状況のblogも拝見させていただきました。違った角度からの交換作業
大変興味深く拝見させて頂きました。
今後も宜しくお願い致します。
マセラティクアトロポルテのクラッチ交換はミラコラーレにお任せください!
お問い合わせは Tel:045−849−3031
mail:info@miracolare.co.jp
まで遠慮無くお問い合わせください。