イタリアから届いた宝物 クーペGTメンテナンス
2013年10月05日
都内在中のA様。
マセラティのクーペGT(マニュアル)がどうしても欲しいのですが、手に入りませんか?と・・・・・・お問い合わせ頂きました。
クーペのマニュアルは国内に輸入された車両が少なく、店頭に並んだとしても
すぐに売れてしまうので、探すのは難しく、当社のお客様も一生乗ると云う方
が多く手放される方はいない状態です。
どうしても手に入れたいのであれば、海外から程度の良い車を探すのが一番かもしれません。メンテナンスは当社で責任を持って行いますとのご提案を
させて頂きました。
それから半年後、A様からどうしてもMTが欲しいので、海外に目を向けて探し
たいとのご要望の元、信頼出来るエージェントを紹介しご希望の車が無事見
つかりました。
折角手に入れた車なので、長く大切に安心して乗れるようにしたいので
日本に到着したらメンテナンスをお願いしますとご依頼を受けましたので
メンテナンス記録をご紹介致します。
A様がチョイスされたのは、後期型のクーペGT。
イタリアにあった車両です。現地での写真をご覧ください。
ローダーに乗せて港まで運びます。
港に到着。車を下ろします。
一部で積載の女王と呼ばれている野田口も流石にイタリアまでは行けません
でしたので現地ドライバーが運転しております。
いよいよコンテナに詰めます。
狭い所に入れるため誘導なしでは少し厳しいです。
鍵を閉めて完了です。
車両到着後にガス検査、予備検査を行い当社に到着。
点検整備を行い納車させて頂きます。
A様もある程度メンテナンスが必要な事は理解の上購入して頂きましたが
実車を見るまではかなりドキドキしていたと思われます。
早速点検開始です。
最初にリフトアップする前にテスト走行を行います。
走行距離が短い事もあり、予想以上に程度が良く私達も一安心。
ベースの車両状態が良ければ、仮に悪い箇所があってもメンテナンスを行え
ば良い車に仕上がります。
続いてリフトアップし細部まで点検を行います。
一番最初に判明したのがエンジンオイル漏れ。。。
エンジンオイルの漏れがある事はA様も現地からのレポートで確認していた
のですが、どこから漏れているかは判明しておりませんでした。
タペットカバーからのオイル漏れであれば簡単にガスケット交換できる
のですが、今回は一番やっかいなフロントカバーからオイルが漏れていました。
漏れの状態は写真の通りです。
走行後はオイルの滴が出来ており、床がオイルで汚れてしまう程でした。
フロントカバーからのオイル漏れはエンジンを半吊り状態で行うため
結構大掛かりなメンテナンスとなります。
写真がエンジン廻りのパーツ一式です。
エンジンを下ろすためマフラー廻りを外していきます。
エンジンマウントを取り外しエンジンを降ろせる状態にしていきます。
補記類を取り外していきます。
バンパーを取り外します。
ラジエーターを取り外します。
ラジエーターにはイタリアの草原の香りが^^
参考までにニュージーランドではMAFと呼ばれる検査があります。
車両の内装・外装に昆虫、植物関連物質、土壌、汚水、その他汚染物質がないかを調査するのですが、日本から輸出する際は、船に乗せる前にMAF指定
の所で下回りを洗浄して船に乗せなければなりません。
面倒かもしれませんが、日本も環境保持のため外来種に対してもっとアクショ
ンを積極的に起こす必要なのかもしれませんね。
エンジンの補記類を外していきます。
フロント部分にスペースが出来てきました。
フロントカバーを外すとタイミングチェーンが見えてきます。
ヘッドカバーを取り外すと丸裸の状態になります。
取り外したフロントカバー
ガスケット
こちらの穴もガスケットを装着します。
機械式時計のようにとても美しいです。
汚れたヘッドカバーを綺麗にクリーニングします。
タペットカバーガスケット
フロントカバーを装着
ヘッドカバーを装着
プラグも同時に交換しています。
補記類を装着していきます。
完成です
フロントエンブレム交換
必ず一番最初に目に入る部分は綺麗にしたいと、エンブレムを交換しました。
クアトロポルテのグリル取り外しはバンパー脱着になりますが
クーペ系はバンパーを外さずに取り外す事が出来ます。
たった一つのパーツを交換するだけで車全体がパリッとします。
ステアリングラックブーツ切れ
走行中ゴロゴロとかなり大きな異音が発生しておりましたので
確認した結果ハブベアリングの不良による物でした。
ハブベアリングを交換して異音は綺麗に収まりました。
その他消耗品関連
エアークリーナー
ポーレンフィルター(エアコン用フィルター)
こちらもイタリアの草原からおまけが付いていました。
ローダウンアライメント
かなり車高が高かった為、適正値に調整しております。
調整前は指4本入れても余ります。
シムを挿入しアライメント調整を行っていきます。
車高を変えるだけでメチャクチャスタイリッシュになると思いませんか?
ミッションオイル
汚れが激しい箇所ですので、エンジンオイル交換2回に1回の割合で
交換することをお勧めしております。
黄色っぽく見えているのが金属粉です。
ドレンボルトの磁石は鉄粉の花が咲いていました。
ミッションオイル交換後のシフトの入りは全く別物になります。
セミオートマでは気づきにくいですが、こうなる前に交換をお勧め致します。
タイヤ交換
最後にタイヤを交換して完了です。
A様からメンテナンス後にメールを頂戴致しましたのでご紹介させて頂きます。
これでようやく、一年前私が思い描いていたことが現実になりました。
様々イレギュラーはありましたが、今思えばそれも楽しみの内で
皆様との出会いのなかで、形の見えないものがだんだんに近づいて
くる感覚は、日々の生活に彩りをあたえてくれました。
車両としても、昨日の帰りの状態が、私のノーマルクーペの思い描く
イメージ通りでした。
今後どのように自分らしくしていくかは、また失敗も含め、長期的な
視点でたのしみたいと思います。
ひとつ問題なのは私にとって、あまりにしっくりくるものに出会い過ぎた
せいで、失う怖さを感じることです。
ミラコラーレさんがある限り私達にとっては安心です。
最初の依頼ということもあり、細かいことを申し上げてしまいご迷惑を
おかけしてしまった点、何卒お許しください。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
A様この度は大切なお車の整備をお任せ頂き本当にありがとうございました。
車選びから始まり長い日が経ちましたが、きっちり仕上がり私共も安堵してお
ります。今後もマセラティライフのサポートをさせて頂きますので宜しくお願い
致します。
マセラティのメンテナンスに関するお問い合わせはミラコラーレまでお気軽に
お問い合わせください。
Tel:045−849−3031
mail:info@miracolare.co.jp
海外から車を輸入することも可能です。
基本的に代行手数料のみでやらせて頂いておりますのでお気軽にお問い合
わせください。車は購入後のメンテナンスが一番大切です。