マセラティスパイダークラッチ交換+カンビオECU装着
2012年11月15日
都内在中のH様。車庫入れ時バックに入らなくなるトラブルが発生しレッカー
車での入庫となりました。
とても珍しいメタリックレッド。正式名称はロッソボローニャメタリックのスパイダ
ーのメンテナンスレポートを報告致します。
1,症状
(1)バックギアに入らない
Tバーでバックに入れるが、バックに入らない。
暫くバック方向にレバーを入れ続けるとギアは入る。
バックに入らなくなる場合の原因は大きく分けて2種類あります。
(1)クラッチのスプリング折れ
症例的には多くある方のケースですが、クラッチ本体が不良の場合はバッ
クに入れようとした場合に、「ゴンゴン」と車両側にショックが伝わる程の振
動が発生します。
今回はバックに入れようとしても、全く反応しない状態です。
このようなケースの場合、トラブルの要因は一つではありません。
エラー状況をテスターで確認しながらトラブルシューティングを実施した結果
ポテンションメーターのトラブルであることが判明しました。
同時にクラッチ残量が数値、目視共に残り僅かだった為同時交換しており
ます。
作業明細
(1)ポテンションメータ交換
(2)クラッチオーバーホール
(3)カンビオECU装着
では作業の様子をご覧ください。
ポテンションメーターの交換作業はクラッチ交換の一連の流れに組み込む
事が出来るため、工賃もその分削減できます。
マフラー、トルクチューブを取り外していきます。
写真左:クラッチ 写真右:ベルハウジング内部
使用済みクラッチとフライホイール
スリットがほぼ無くなるまで使用しています。
左:使用済みクラッチ 右:新品クラッチ
左右を比較すると消耗具合が良く分かると思います。
ここまで使用すると発進時の滑り=だるさが動かした瞬間に分かります。
徐々に悪くなっていくため、オーナーは中々気がつかない事が多いです。
交換したパーツ一式
左:新品フライホイール 右:クラッチ
クラッチは摩耗も激しかったですが、スプリング部分全般が錆びていましたの
でこのまま乗り続けた場合、スプリング折れが発生し不動になっていた可能性
が大でした。
左:交換前 右:交換後
錆による変色で明らかに色が違うのが分かると思います。
ポテンションメータ
バックが入らなかった原因はポテンションメータの不良による物でした。
ポテンションメータはトランスアクスル側面に装着されています。
クラッチ交換と同時作業でない場合は、ミッションを半下ろしして作業を
行います。
交換完了!
続きましてカンビオポンプとホース
写真の通りカンビオポンプも劣化によりかなり変色していました。
クラッチ同様新車時から交換した形跡がありませんでした。
カンビオホースも劣化によりひび割れが発生していましたので
オリジナルの対策品に交換しています。
以上のメンテナンスで無事バックは入るようになりました。
カンビオECU装着
車が折角シャッキリしたのであれば、この機会にカンビオECUも装着したい
とご要望頂きました。
カンビオECUを装着することで、発進、シフトアップ時の半クラッチが短くなり
非常に乗りやすくなります。シフトダウンもレブリミットを叩かない範囲で気持ち
良く出来るようになります。
又アクセルレスポンスも良くなりますので、パワーアップしたような感覚で車が
一回り小さくなったように感じるほどです。
装着後の動画はこちらをご覧ください。 →ここをクリック←
ECUは助手席の足下にあります。
ECUラインにカンビオECUを割り込ませていきます。
車両側の配線をカットし接続します。
作業完了です。
H様入庫ありがとうございました。
今後も宜しくお願い致します。
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