マセラティスパイダーメンテナンス
2012年10月29日
都内在中のN様より、お電話にて異音が凄いので見て欲しいと相談を
受けました。合わせて車がしゃっきりしないので、他の項目も徹底的に
メンテナンスをして欲しいとの依頼を受け作業させて頂きましたのでご紹介
致します。
１，症状
発進時及び走行中にアクセルを踏み込みトルクが掛かった時に
「カカカカ」と大きな打刻音がする。
停車中もブリッピングで軽くアクセルを踏んでも異音がします。
オープンで走行していると、室内まで音が入り込み、足下に振動が伝わる程
で、交差点などでは歩いている人達が振り返るほどの音がします。
２，作業内容
（１）１２ヶ月点検整備
・エンジン異音修理
・エンジンオイル漏れ修理
・ステアリングラックブーツ交換
・タイヤ交換
・内装ベトベト修理
・クラッチ、カンビオポンプ交換
・４輪アライメント
・遮熱板交換
・エンジンマウント交換
・ipodアダプター取付
３，エンジンからの異音
発進時及び負荷を掛けた時にエンジンから「カカカカカ」と大きな音がする。
お車をお預かりして確認すると、確かに大きな音がします。
お客様からは「HPで紹介されている触媒割れと、同じ症状のような気が
するんですが？」との見立てを頂きました^^
早速フロントマフラーを外して確認を行いましたが、マフラーは問題ありませ
ん。（フロントキャタ割れの記事はこちらから →クリック←
実走及びリフトで空転させて異音が出ていると思われる箇所を探求して
いくと、以下の２点が発見されました。
（１）エンジンマウントがかなり劣化している。
（２）遮熱板が切られている。
遮熱板は写真の通り真ん中で二つに切られていました。
本来一枚物の遮熱板が真ん中で切られていたため、手で叩いてもかなりの
音がします。発進時とトルクが掛かった所に振動して音が発生していたので
す。
何故遮熱板が切られていたのか？過去の記録簿を見るとエアコン関係の
メンテナンスを行った履歴がありました。
エアコンのメンテナンスを行うために、遮熱板を取り外す必要があります。
遮熱板の取り外しは、エキゾーストマニホールドを取り外さないと、取れません。取り外しが面倒なため、遮熱板を真ん中で切って取り外していたと想定さ
れます。
下から持ち上げるとぺこぺこしているため、振動と共振で音が出ていました。
切られている部分をリベットで固定し振動による音の発生を防止する
加工を行います。
エンジンマウント
エンジンマウントの劣化により、振動と異音が出るケースが非常に多く
なっています。
このスパイダーも写真の通り完全に潰れてしまい振動が出ていましたので
交換いたしました。
以上２点を交換しテスト走行を行うと、異音は・・・・・・・・
かなり良くなりましたが、まだ異音は残っています。
遮熱板のリベット打ちが下方向から行った為、完全に固定出来ていないため
異音が止まらないと想定し遮熱板を新品に交換します。
装着完了
遮熱板を交換することで、「ペケペケペケ」という異音はなくなりました。
しかし「カタカタカタ」と言う音がどうしても消すことが出来ません。
リフトアップし空転させ、各所を確認しますがエンジン内部から出ていると
しか思えない音です。
エンジン内部に異常が無ければ良いのですが、ボディーへの振動と大きな
音からエンジン本体異常の可能性もあります。
大きなダメージとなってエンジンがブローしたら大変です。
お客様と打ち合わせした結果、全て任せるので異音の原因を探求して欲しい
と依頼を受け作業を続行しました。
異音は右バンクのカムシャフトあたりから聞こえてきます。
聴診棒を当てると、右バンクのエンジン内部からの打刻音・・・・・・
タイミングバリエーター、ピストン、バルブ、カムシャフト等、エンジンを開けて
確認しますが異常らしき箇所はありません。
日々エンジンからの打刻音は大きくなってきます。
八方塞がりになり、過去の施工内容を話さないで、元F１のエンジンメカニック
を含めプロと呼ばれる方達に、音を聞いてもらいましたが提案される項目は全
て作業済み項目ばかりで・・・・
完全に迷宮入りとなってしまいました。。。。。。。。。
がここで諦める訳にはいきません。
幸いなことに当社には複数のスペアエンジンがあります。
スペアエンジンをばらして、色々調べた結果・・・・・・
これでダメであれば、ギブアップ！という最後に試した結果・・・・・
異音が見事に消えました！
何処が悪かったのか・・・スミマセン今回は企業秘密とさせて頂きます＾＾
今回の車で発生していた異音は、音の大小はありますが入庫頂くクーペ、
スパイダーでは同じ種類の音が出ています。
今後潜在化している異音が顕在化してくる可能性がありますが、その際は
お任せください。今回かなり苦労しましたがお任せ頂ければ解決いたします！
クラッチ交換
実走でのテスト走行で滑りが確認できたこと、テスター上の数値そして目視で
の結果により交換させていただきました。
交換したパーツ一式
交換前クラッチ
カンビオポンプ
カンビオポンプ、カンビオホースも写真の通りかなり劣化し、交換履歴も無い
ため交換させて頂きました。
こちらが対策品のオリジナルカンビオホース。
純正品よりリーズナブルでしかも長持ちします。
ステアリングラックブーツ
劣化により切れていましたので交換しています。
交換して作業完了です。
フロントマフラーのステイ部分のブッシュが切れて脱落していたため
交換しています。
見事に切れてしまっています。
エンジンオイル漏れ修理
タペットカバーからのオイル漏れです。
汚れている部分がオイル漏れの跡です。
ヘッドカバーを開けてガスケットを交換します。
外したヘッドカバーはピカピカに磨くことで新品の輝きを取り戻します。
作業完了です。
内装ベトベト修理
今回は特に酷い、ヘッドライトスイッチ、エアコンの吹き出し口を交換してます。
ヘッドライトスイッチは他と比較しても触る頻度が高いため、見た目はさておき
出来れば綺麗にしておきたい部分です。
交換したパーツ一式
左：交換前 右：交換後
新品スイッチ
ipodコネクター
ipone５対応Verもありますので詳細はお問い合わせください。
タイヤ交換
ご覧の通りワイヤーが出る状態まで摩耗していました。
他のタイヤも摩耗が激しく、スリップサインが出ていたため交換しています。
タイヤの金額は大手量販店さんよりリーズナブルに提供しておりますので
是非お問い合わせください。（チェンジャー、バランサーもあります）
これで今回の作業は完了です。
N様異音の原因探求に時間が掛かってしまい申し訳ございませんでした。
無事異音が消えて本当に良かったです。
今後も宜しくお願い致します。
マセラティスパイダーのメンテナンスに関するお問い合わせは、
ミラコラーレまでご連絡ください。
Tel：０４５−８４９−３０３１
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