マセラティスパイダーギア抜トラブル+ローダウンアライメント
2012年09月23日
愛知県からご来店頂きましたM様。遠方からのご来店ありがとうございます。
ローダウン+アライメントで入庫頂いたのですが、リフトアップした際にクラッチ
のレリーズベアリングからのオイル漏れが発見されたため、急遽クラッチ交換
をさせて頂きました。又ギア抜けも多発していたため同時にメンテナンスしまし
たのでレポートさせて頂きます。
1,ローダウン+アライメント+スペーサー
タイヤハウス内のスカスカを気にされる方が多いですが、クーペ系はノーマ
ルでも車高調整が付いていますので、調整だけでかなり格好良く決まりま
す。同時にアライメントをキチンと設定すると、アンダーステアが軽減し回頭
性も良くなり全く別の車に生まれ変わりますのでお勧めのカスタマイズです。
実走でセッティングを行いますので、お車は最低一晩お預かりさせて頂きま
す。(クアトロポルテ、グランツーの場合は3日お預かりとなります)
施工前の車高は指3本が余裕で入ってしまうほどでした。
リアの車高も指3本半くらいの隙間が空いていました。
フェンダーとタイヤの「ツラ」もノーマルではかまり中側にに入っています。
車高を落とすと更に中に入ってしまうため、ローダウンを行う際スペーサー
は必須アイテムです。
施工は岸が担当させて頂きました。
ショックアブソーバーを外して調整していきます。
スペーサーを入れて作業完了です。
最終調整は実走でフィーリング重視で設定していきますが、標準データ通り
設定しても、気持ち良く走れない車が多く苦慮する箇所です。
施工後の車両をご覧ください。
今回のリクエストはあまり落としすぎないようにとの事でしたが
元が高かった為3cm程車高を落としています。
車検が通る範囲で設定しておりますので、日常使いでも下を擦ることは
殆どありませんのでご安心ください。
小技ですが、ホイールキャップをレッドに交換しました。
足下が綺麗になると車全体がシャキッとします。
交換前
交換後
2、クラッチ交換
スラストベアリングからのオイル漏れが大きかった為、クラッチを交換させて
頂きました。以前カンビオECUを装着頂いた時テスト走行中にスラストベア
リングの動きが渋かったのですが、シールの引っかかりが原因の一つだっ
た可能性が大きいです。
クラッチ交換作業は堀口が担当させて頂きました。
マフラー類を取り外し、トルクチューブ(大砲)を下ろします。
左:エンジン側 右:ミッション側
ベルハウジングを外すととクラッチが見えてきます。
その下にフライホイールがあります。
取り外したクラッチ板は写真の通りスリットも削れ残り僅かでした。
通常内側の減りの方が大きいのですが、今回は外側もかなり減っており、オイ
ル漏れが無くても丁度交換タイミングでした。
パイロットベアリング
発進時の異音発生源です。フォーという音はここから発生しています。
スラストベアリング、クラッチセンサー他
交換したパーツ一式
交換後パイロットベアリング
新品クラッチ
再度交換前のクラッチと比較してみると
スリットの深さが違うのが分かると思います。
ブレーキローターのように見える部分なら良いのですが、
隠れて見えない部分なのが困りものです。
しかし下の写真のスリットの状態を把握しておくと、下から覗けばクラッチの
摩耗度がある程度分かるようになります。
テスターでも測定できますが、オイル交換のついでに見ることが出来ますので
一番早く、簡単な診断方法です。
私達は毎日のように見ていますので、目視の結果とテスターの結果はほぼ
ニアリーイコールになります^^
スラストベアリング、クラッチセンサーを組込ベルハウジングに装着します。
カンビオポンプ
作動音である程度の状態は把握できますが、このお車新車時から一度も
変えていなかったので、作動音だけでなくポンプ自体もかなり変色しています
た。
左:新品 右:使用済
色が全然違うのが分かると思います。
ここまで変色しているのは久しぶりに見ました。
カンビオホースも劣化して亀裂が入ってたので交換しています。
カンビオホースはオリジナルのシリコン製を使用しております。
純正品より安く長持ちします^^
☆クアトロポルテにも使用可能です。
☆グランツーSは残念ながら使用できません
最後はクラッチラインのエアー抜きを行い作業完了です。
エンストメンテナンス
こちらも最近急激に増えているトラブルです。
症状としては減速時にパドルを使用せずに自動でシフトダウンを行って
いく途中でギア抜けが発生してニュートラルになってしまう。
これ以外の症例として3速→2速 又は2速→1速に落ちるときにエンストする。
ギア抜けはカンビオポンプの不良でも発生しますが、ポンプの場合は何回かギア抜けを繰り返しているうちに、全くギアが入らなくなりますが、今回のケー
スでは復帰してしまうところが異なります。
トラブル箇所は下の写真のパーツ不良によるものでした。
初めてご紹介する部分ですが、ここ半年の間に急激に発生頻度が上がってい
るためアップ致します。
クラッチを交換したんだけどエンストとギア抜けが直らないという方、一度この
部分を見てみてください。
但しエンストだけの場合は、原因が他にもありますのでご注意ください。
パーツはこれです。
ギアボックスポジションセンサーと呼ばれるパーツです。
エンストが発生している場合は他の要因としてクラッチソレノイドが悪いケース
もありますのでご注意ください。
どちらが悪いかは症状とテスター診断を合わせて判断しております。
交換完了です。
無事ギア抜けトラブルも解決されました。
今回のメンテナンスはこれで完了です。
M様遠方からのご来店ありがとうございました。
今後も宜しくお願い致します。
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