マセラティクアトロポルテクラッチ交換他メンテナンス
2012年06月23日
マセラティクアトロポルテクラッチ交換他メンテナンス
自宅車庫に車を入れようとした所、バックに入らなくなってしまったので、これ
からレッカーでお邪魔しますとご連絡頂きました。
故障診断からメンテナンスの様子をご紹介致しますので、参考にして頂けれ
ば幸いです。
1,バックギアに入らない
1速には入るがバックに入らない。
但し100%入らないと言うことでなく、5回に1回位のの割合で入らない
状態になります。
クラッチのスプリング折れを疑ったのですが、スプリング折れの症状は
入ろうするが弾かれる感じなのに対して、全く反応しない状態です。
テスター診断の結果ではクラッチ残量はほぼ0%。
目視での点検及びテスト走行でも滑りが感じられるため、クラッチ交換を
実施しました。
最初にクラッチ交換の様子をご覧ください。
トランスアクスル、トルクチューブを下ろします。
クラッチが見えてきました。
スプリングは問題ありません。
クラッチ板は・・・・・
炭化してしまい爪でひっかくとボロボロと崩れ落ちるほど劣化しています。
下の写真ではスリットが無くなり、変色しているのが分かると思います。
交換したパーツ一式です。
クラッチコンプリート
左:スプリング側 右:ディスク側
左:フライホイール 右:パイロットベアリング
スラストベアリング
クラッチセンサー他
スラストベアリングを組込、馴染ませてから装着します。
中央部分がパイロットベアリング 写真右:フライホイール
カンビオポンプを交換します。
写真では劣化により廻りのパーツと同化しているため、どれがポンプか
分かりにくいと思います。
交換後
ピカッと光っているのが、カンビオポンプです。
Tバースイッチ不良
クラッチ交換後滑りも無くなりスムースな発進と走行が可能になりましたが
バックに関してはやはり入らない時があるためTバースイッチを交換いたしま
した。
最近お預かりする車で「Tバー」が壊れている車が非常に多いのですが
買われたときから、壊れている事が多いため気がついていないケースが多い
パーツです。
(1)正常な状態
・バックに入れるには、Tバーを持ち上げて後ろに引きます。
・持ち上げないと後ろには下げられません。
(2)壊れた状態
・Tバーを持ち上げずに、そのまま後ろに簡単に下がる。
・Tバーが指で押すとフラフラして落ち着きが無い。
クーペ系の車では殆ど見かけないのですが、クアトロポルテはゴルフ場
ガソリンスタンド等で車を預ける方が多く、使い方を知らない人が無理矢理
バックに入れようとして壊してしまうケースが多いです。
壊れていると以下のトラブルが発生することがありますのでご注意ください。
☆エンジンが掛からなくなる。
☆バックに入らない。
Tバーがフラフラしている車でエンジンが掛からない=セルが廻らない場合
は、Tバーを軽く前に動かす事でエンジン始動が出来るケースもありますの
で頭の片隅にでも入れておいてください^^
エンジンマウント交換
お車をお預かりした時から、振動がとても大きかった為エンジンマウントを
確認したところ、写真のようにかなり潰れていたため交換いたしました。
マウントを取り外すと
潰れているだけではなく、片方は完全に千切れていました。
通常の劣化以上に振動と異音が出ていたのはエンジンマウントが原因
でした。
手で思いっきり引っ張っても千切る事は不可能です。
運転席ドア違和感
お車をお預かりした時に、ドア開閉時に違和感があった為バラシみました。
最近ドアの開閉が出来なくなる、トラブルが多いため確認作業です。
バラしてみると・・・・
以前壊れた事があるらしく補修された形跡がありました。
補修箇所が悪くなってきたため、ドア開閉時に引っかかりがあったのです。
左:交換前 右:新品
プラスティック部分が折れているのが分かると思います。
交換して作業完了です。
トランク開閉不良
経年劣化により発生するトラブルですが、最近本当に増えてます。
症状としては、車内スイッチ又はリモコンキーでトランクを開けた際に
一度開くが、ダンパー不良により締まってしまいます。
雨漏れ
ウエザーストリップの劣化とトランクのヒンジの不良により水漏れがしてい
ました。お車をお預かりした時にトランク内を必ず確認するようにしておりま
すが、結構な比率で発生していますので、梅雨時は特にご注意ください。
アルミペダル
お洒落は足下からと良く言われますが、ペダルを交換するだけで
大きく雰囲気が変わります。
クアトロポルテはフットレストが大きな写真のタイプと
小さめのタイプ2種類ご用意しております。
これで今回の作業は全て完了です。
M様ありがとうございました。今後も宜しくお願い致します。
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