マセラティスパイダー クラッチ交換
2011年10月16日
都内在中のY様。
車検整備とクラッチ交換を施工致しましたのでご紹介致します。
Y様のお車かなりの箇所に手を加えているのですが、走行24000kで
クラッチは未交換でした。お車をお預かりしたときに滑りが出ていたため
今回は交換となりました。
今回施工した作業内容は以下の通りです。
・エンジン、トランスミッション、
・ステアリングラックブーツ
・フロントアッパーアーム交換
・リアアッパーアーム交換
・エアクリーナー
・エアコンフィルター
・ラジエーターキャップ
・クラッチ交換作業一式
・カンビオポンプ交換
1、クラッチ
発進時に明らかに滑っていたため、交換しました。
症状としては発進時にクラッチが中々切れない、全開加速時のシフトアップ
にてつながりが悪く滑ってしまう。
この車では出ていませんでしたが、末期になるとガソリンスタンド等の段差で
エンストを起こしたり、停止に至る工程の中でエンストを起こしたりするように
なります。
今回交換したパーツは写真の通りです。
クラッチからのオイル漏れ又はステイ部分の割れが10%くらいの
確率で発生しますが、その際は写真から+2コパーツが増えます。
まずは下の写真に映っているパーツを全て取り外します。
マフラーとトランク内部を取り外し。
トルクチューブ=大砲を下ろします。
ベルハウジングを取り外すとクラッチが見えてきます。
クラッチを外すとフライホイールが表れます。
フライホイールはかなり焼きが入っている事が目視でも確認出来ます。
この焼きが発進時のジャダーを誘発します。
フライホイールを外すと、クランクケース内の中心にパイロットベアリングが
見えてきます。ここが発進時の「フォー」という音を出す部分です。
ここも新品に交換します。
写真右がパイロットベアリング取り外し後
クラッチの厚みをい前後で比べると
左:使用済みクラッチ
右・新品クラッチ
厚みの違いが分かると思います。
取り外したベルハウジングの中には、クラッチセンサースラストベアリング
などクラッチを制御するパーツが並びます。
スラストベアリングの動きが悪いとクラッチのつながりがスムースにいかなく
なる傾向にあります。
取り外したスラストベアリング。
右端に見えるのがクラッチセンサーです。
クラッチセンサーが不良になると、カンビオエラー等の
トラブルが発生します。
クラッチセンサーを取り外します。
スプリングが錆びているのが分かると思いますが、このスプリングが
腐食で折れているケースも多々あります。
スラストベアリング。
ここのシール不良によるトラブルも増えています。
シール不良の際はクラッチ部分からオイル漏れが発生しますのでリフトに
上げれば目視で分かります。
クラッチがスムースに動きますようにと^^と毎回おまじないを掛けながら
丁寧に組み込んでいきます。
特にシール部分は組み込んだ直後にダメージを与えやすいのでグリスを
丁寧に塗り込んでいきます。
スラストベアリングの色もかなり違うのが分かると思います。
組み立てが終わったらベルハウジングに装着していきます。
フライホイールとクラッチを装着し
組み上げたベルハウジング、トルクチューブを装着したら完了です。
カンビオポンプ
交換履歴が無かった為目視での確認と動作音が鈍かったため交換いた
しました。
年数からも交換時期に入っていましたが、「そろそろ交換した方が良いです
よ!」とお勧めして、次回にお願いしますと帰られてしまう方の3割くらいが、
1ヶ月以内に不動になっております・・・・・・・
結果レッカーで運ばれて来ますので本当にご注意ください。
私達は毎日のようにポンプ音を聞いていますので、弱っている車は大体わか
ります。事実今週末も2台の車がポンプ不動でレッカーで運ばれてきました。
交換前のポンプは変色し黄金色になっていますが
新品のポンプの色はシルバーなんです。
ポンプの交換も終わり、マフラーを装着してクラッチ廻りの作業は完了です。
BERTOCCHIフロント+センターマフラーも綺麗に焼きが入っています^^
こちらの変色は良い方です。
リアアッパーアームブッシュ不良
最近入庫する車で増えているのが、アッパーアーム、ロアームの
ブッシュ不良によるグリス漏れです。
パーツのある場所はサスペンションの上側にあります。
下の写真の部分が該当パーツです。
取り外してひっくり返して見てみると、写真のようにブッシュが破れて
グリスが飛び出しています。
写真は新品パーツ
このトラブルで困った事は、ブッシュ部分のみでパーツが出ないため
アッセンブリ交換となってしまうことです。
この先殆どの車でこのトラブルが発生しますので、安くメンテナンスを行える
ようブッシュだけの交換が出来るようにと!現在方法を模索中です。
何個作れば製作してくれるか交渉中です・・・・・・
フロントアッパーアーム
こちらも5年くらいで写真の様にブッシュが破れグリスが飛び出してしまい
ます。走行上で異常は感じられないのですが、重要保安部品であり、このまま
放置するとサスペンションの脱落等に発展する可能性があります。
ステアリングラックブーツ
最近オイル交換でご来店頂くお客様は、自分でリフトの下に入り
確認される方が多い箇所です^^
そして切れているのを発見されると、HPで出てた通りだ!と
逆に喜ばれるというおかしな現象が起きています。。。。。。
耐用年数は約2年ですので車検後との交換が必要です。
当社ではパーツを常に在庫していますので、お待ちになっている間に
オイル交換と同時作業が可能です。
ラックブーツの中は写真のようになっています。
これを見られると切れてしまうことで怖さが分かると思います。
新品のラックブーツ。
交換時は左右同時に交換します。
トランスミッションオイル
クーペ、クアトロポルテ共にトランスアクスルの為ミッションオイルと、
デフオイルが共有になっております。
BERTOCCHI号はマニュアルですが、エンジンオイル2回交換で1回ミッション
オイルを交換しないとシフトの入りがだんだん悪くなってくるのが分かります。
F1マチックでは入りの悪さに気がつかないので、クラッチのスプリングなどに
負荷が掛かり大きなトラブルに繋がるケースもありますので、早めの交換をお勧め致します。
交換時に汚れと金属粉を見られると皆様交換頻度を納得するほどです。
ポーレンフィルター(エアコンフィルター)
こちらは12ヶ月おきの交換をお勧めしております。
新品との色を比較するとこの通りです。
家のフィルターでも1シーズンで数回は清掃します。
車は外を走りますのでそれ以上に汚れていると思って間違いないです。
エアーフィルター
エアークリーナーはかなり低い場所にあります。
従って様々な異物が混入されている事が多く、私達もいつも驚かされて
います。
こちらの汚れも一目瞭然です。
エアークリーナーの実際の場所はこんな所にあります。
フロントグリルの中を覗き込むと見える場所にありますので
一度見て場所を確認しておいてください。
最近豪雨で道路が冠水するニュースが流れていますが
冠水した道路があったら絶対に入らないようにしてください。
行けるかな?????と思っても必ずUターンした方が無難です。
それはエアクリーナーから水が入り→エンジンに水が入ってしまうからです。
最悪ウオーターハンマーを起こしピストンが飛び出してしまうこともありますの
で普通の国産車では通過出来ても、通れないことが多いです。
引き返す勇気も必要です。
今回は車検整備に関するご紹介を致しました。
Y様いつもありがとうございます!
同時に施工させて頂きました、カスタマイズに関しては別途レポートさせて
頂きます。
マセラティのメンテナンスに関するお問い合わせは株式会社ミラコラーレ
TEL:045-849-3031
mail:info@miracolare.co.jp
まで遠慮無くお問い合わせください。
メンテナンスの詳細なお見積もりが必要な際は
車検証のコピーか年式、車体番号、型式、車種名、ハンドル位置、シフトの種
類を一緒に記載頂ければ幸いです。