マセラティクーペGT エアコントラブル
2011年10月01日
都内在中のN様。
ツーリングの途中でエアコンが効かなくなるトラブルが発生し緊急入院されま
したのでご紹介致します。
原因を探求していくと、「へー」と思われる箇所がトラブルの原因でした。
こんな部分も関連しているんだと参考にして頂ければ幸いです。
☆症状
走行中にエアコンのブロアが動かなくなり、全く風が出なくなる。
通常エアコンが動かない場合エアコン廻りが原因と考えトラブルシューティング
を行います。当社でも最初はブロアモーター、パネル廻りのスイッチ等を疑いト
ラブルシュートを行いましたが異常は見つかりませんでした。
エアコン廻りに問題が無いのに、風が出てこない。。。。。。
さあ皆さんは他に何が原因として考えられますか?
無論リレーを含めてエアコンに関する部分は全く異常箇所はありません。
答えはこれです。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
さあ何だか分かりますか?
ヒントはギブリに乗っている方ならトランクに積んでいる方も多いパーツです。
答えは
「オルタネーター」の不良により、エアコンのブロアーが動作不良を起こして
いたのです。
電圧計の動きが以前から不安定であるとのお客様の話に基づき、B電源廻り
を調べていくと確かに電圧が不安定な事が確認出来たので、更に突き詰めて
いくと、オルタネーターの発電不足によりエアコンが動かなくなっていたのが
確認出来ました。
簡単にオルタネーターの役割を説明します。
バッテリーの容量は無限大ではありません。
充電しなければ使いきってしまい車は動かなくなります。
例えばエンジンオフの状態で
・ルームランプを消し忘れて、一晩放置すると
→バッテリーは上がってしまいます。
・エンジン停止状態でハザードを出し続けると
→バッテリーが上がってしまいます。
・暫く車に乗らないと
→バッテリーが上がってしまいます。
バッテリーは使われた物を充電で補わないと、電気を供給できなくなります。
又何もしなくても自然放電により、セルモーターも廻らなくなってしまいます。
オルタネーターはエンジンが掛かっている状態で常に発電し、バッテリーに充電するという重要な役割をしています。
オルタネーターが壊れてしまうと、充電機能が無くなるため、走行中であっても
バッテリーが上がり不動になってしまいます。
たとえ新品のバッテリーを装着しても、直ぐに不動になってしまいます。
今回は完全にオルタネーターが壊れていなかった為、バッテリー上がりを起こ
さず分かりにくかったのですが、エアコンのブロアを廻すほどの電力量まで発
電できていなかった為に発生していました。
ではオルタネーター交換の様子をご覧ください。
オルタネーターはエンジンルーム内のサージタンクの下にあります。
写真の真ん中のカタツムリみたいな形の下にあります。
サージタンクを取り外すとオルタネーターが見えてきます。
ギブリのオルタは本当に良く壊れましたが、装着されている位置が
悪かった為、水が掛かって故障していました。
クーペ系では水が掛かることも無いので、オルタの故障は殆どありません。
サージタンクを取り外すとオルタネーターが顔を出します。
オルタネーターのアップ。
不良品を取り外し新品に交換していきます。
原因さえ分かってしまえば後は作業を行うだけです^^
左:不良オルタネーター 右:新品 オルタネーター
オルタネーターを交換して、エアコンスイッチをONするとしっかり
エアコンファンが回るようになりました^^
今回も無事メンテナンス完了です。しかし車って本当に面白い生き物です。
N様ありがとうございました!
今後も宜しくお願い致します。
現在お預かりした車両のメンテナンス+カスタマイズ作業に追われHP更新が
遅れ気味です。
時間を見つけてUPしていきますので今後も宜しくお願い致します。
マセラティのメンテナンス、カスタマイズに関するお問い合わせは
株式会社ミラコラーレ
TEL:045-849-3031
mail:info@miracolare.co.jp
までお問い合わせください。
☆近々エンジンの積み替え作業を行います。
タイミングが良ければ作業風景がご覧頂けるかもしれません。