マセラティクアトロポルテクラッチ交換
2011年05月27日
今回のクラッチ交換は都内某ディーラ様よりご依頼頂きましたので
ご紹介いたします。
今回の交換では普段壊れていないパーツの故障が発見されました。
又クアトロオーナだけでなくクーペ系のオーナーの間で良く言われている、
発進時に出る異音の原因に関してもご紹介致します。
今回交換したパーツは写真の通りです。
当社では基本的に標準で以下のパーツを交換しております。
他社では交換しない細かいパーツも含まれておりますが、これは
過去の事例から、これらのパーツを交換しないと、発進時のスムースさ
が全く違うため、推奨パーツとして交換させて頂いております。
クラッチ交換はリフトに上げた時に目に見える部分は基本的に全部取り
外して作業を行います。
上記のパーツを取り外すと下の写真の様にドンガラになります。
そして以前は下ろしていなかったトランスアクスル。
震災後から安全の為必ず下ろすようにしていますが、かなり重いです。
堀口の「ふーって」いう顔から重さを想像してください。
この写真を撮っているときも岸から、
「写真なんか撮ってないで手伝ってくださいよ!」と注意されるくらい
重いです^^
下ろし終わったトランスアクスル。
推定重量100kg
続いての大物トルクチューブ=通称大砲です。
こちらの推定重量約60kg
(注)あくまでも推定重量ですので正確な重量ではありません。
クラッチ交換を行う際は是非一度ご自身で持ち上げて見てください^^
大砲を取り外すとベルハウジングが顔を出します。
この奥にクラッチ関係の全てのパーツが隠れています。
ベルハウジングを取り外すと、クラッチが見えてきます。
クラッチを取り外すとフライホイールが顔を出します。
この車のフライホイールはかなり焼けが目立ちます。
フライホイールの焼けはジャダー発生時におきます。
ここまで焼けていると発進時のジャダーも出やすくなります。
フライホイールを取り外すと裸ん坊のクランクケースが出てきます。
良く発進時にクラッチが鳴くともう残量が少ないのでは無いか?と
お問い合わせを頂きますが、あの鳴きの「フォー」という音はパイロット
ベアリングというパーツから出ています。
パイロットベアリングを特殊工具を使用して取り外します。
取り外し完了です!
これがパイロットベアリングです。
写真 左:交換前 右:新品
発進時の「フォー」という音はここから出ています。
従ってこの音が出るからといってクラッチ残量には直接関係ありません。
パーツが悪くなると音が出やすいのは事実ですが、新車時から出ていた
車も数多くありました。
一概に異常の有無を音では判断出来ませんが音は出ないに越した事が無い
のは事実です。
クラッチセンサーサポート
こちらもたまに見かけるケースですが、写真の右側下部に割れが
あるのが見えますでしょうか?
こちらの割れは経年劣化と熱が原因です。
割れが無い限りこのパーツを交換することは無いのですが
バラしてみないと状態が確認出来ないのが困った所です。
写真は新品のクラッチセンサーサポート
スラストベアリング、クラッチセンサーをベルハウジングに実装します。
実装するパーツ
フライホイール
左:交換前 右:交換後
クラッチを装着します。
ベルハウジングを装着し、大砲、マフラーを装着したら完了です。
この後F1ポンプユニットのオイルをテスターを使用して交換すれば
作業は完了です。
交換後はとてもスムースなつながりになります。
今月も沢山のクラッチ交換をさせて頂きました。
一生懸命作業させて頂きますので、クラッチ交換はミラコラーレを
ご指名頂ければ幸いです。
お問い合わせ先
TEL:045−849−3031
mail:info@miracolare.co.jp
までお気軽にお問い合わせください。