クーペ カンビオコルサ エアコンからの水漏れトラブル メンテナンスレポート
2018年08月30日
クーペ カンビオコルサ エアコンからの水漏れトラブル メンテナンスレポート
美しいカラー「Blu 90 Aniversario」のクーペ カンビオコルサ。『エアコンをつけると助手席足元から水が垂れてくる』とのトラブルにて入庫頂きました。
足元から水が漏れているとの事で、ヒーターコアからの冷却水漏れやカウルトップからの雨漏りなどではないかと点検を行いましたが、原因は意外にもポーレンフィルターの汚れによるものでした。
またタペットカバーパッキンからのエンジンオイル漏れやドアロック不良なども同時にメンテナンスをさせて頂きましたのでご紹介いたします。
〜メンテナンス箇所〜
● エアコン排水口クリーニング
● ポーレンフィルター交換
● タペットカバーパッキン交換
● ドアロック交換
それではメンテナンスの様子をご覧ください。
● エアコン排水口クリーニング
室内に水が入ってしまうトラブルは様々な原因が考えられます。クーペ系では「カウルトップからの雨漏り」や「ヒーターコアからの冷却水漏れ」などが考えられますが、今回はエアコンを使用した時のみに水漏れが発生することから、原因をエアコン関係に絞って原因を探ります。
点検を行うと確かに助手席側のフロアカーペットはぐっしょり濡れています。
カーペットを取り外し、コンソール奥側に装着されているブロアモーターを点検していきます。
ブロアモーターの下はヒューズやリレーをはじめとする電装品が多く格納されているため、水がかからない様慎重に作業を進めます。
ブロアモーターを点検すると中からは大量の水が流れてきました。
水の中には砂やホコリなどのごみが混入しています。
ブロアモーターに溜まった水は排出しましたが、水が溜まってしまう原因を探るためさらに点検を進めます。
続いてポーレンフィルター(エアコンフィルター)を点検します。
ボンネット内、カウルトップを取り外しポーレンフィルターを取り外すと、そこにはあるはずのないものが。。。
写真では少々分かりづらいですが、奥側には水がたっぷり溜まっています。
取り外したポーレンフィルターは酷く汚れ、水に浸かっていた跡があります。
今回の足元からの水漏れの原因は、長らく交換されていなかったポーレンフィルターが外気に含まれる砂やホコリなどを除去することができず、吸い込んでしまったゴミやホコリがエアコンの排水ラインを詰まらせてしまったのが原因でした。
詰まってしまった排水ラインにエアコンからの水が溜まったことでブロアモーターから溢れ出し、水漏れが発生していました。
本来エアコンラインのクリーニングはダッシュボードを脱着する必要がありますが、今回は幸いな事にポーレンフィルター周辺の排水ドレンをクリーニングすることで詰りを解消することができました。
溜まっていた水を排水し、ポーレンフィルターを交換します。
長年使用したポーレンフィルターは汚れが溜まり、砂やゴミなどをしっかり除去できない状況でした。
車内にフレッシュなエアーを吸入する為のポーレンフィルター。長年使用したポーレンフィルターはエアコン使用時のニオイなどの原因になるだけでなく、今回のケースのように車内への水漏れのトラブルにも繋がります。
今回は幸い車内電装品が水没してしまうなどの二次災害はありませんでしたが、発見が遅れた場合溜まった水がエンジンECUやヒューズ・リレーなどに悪影響を及ぼしていた可能性もあります。
走行する上で一見関係が無さそうなポーレンフィルターですが、定期的にメンテナンスすることをお勧め致します。
● タペットカバーパッキン交換
タペットカバーとエンジンのつなぎ目からエンジンオイルが漏れていたため、タペットカバーパッキンの交換を行います。
タペットカバーのすぐ下にはエキゾーストマニホールドが装着されており、漏れたエンジンオイルが高温となったエキゾーストマニホールドに付着すると異臭や発煙の原因となり、最悪の場合は車両火災となるケースもありますので、しっかりとメンテナンスすることが重要です。
今回はタペットカバーパッキンに加えて、スパークプラグも交換していきます。
タペットカバーパッキン交換はヘットカバー(赤色のカバー)を取り外してメンテナンスを行います。エンジンルームカバーやインテークスリーブを取り外します。
イグニッションコイルや各部ホース類を取り外し、タペットカバーを取り外します。
取り外したハーネスの一部は被覆が剥がれ、配線がむき出しになっていました。断線や熱害などを受けないよう、ハーネスを保護していきます。
普段は目に見えない箇所ですが、細かく点検やメンテナンスを行う事で、トラブルを事前に防ぐとこができます。
無事、タペットカバーがエンジンから取り外されました。
取り外したタペットカバーはきれいにクリーニングを行います。
特にエンジンとの側とのつなぎ目やパッキンを装着する箇所は入念にクリーニングを行います。
表側もクリーニングを行います。長年の汚れを落とし、艶を出すことで、鮮やかなレッドが蘇ります。
キレイになったタペットカバーにパッキンを装着し、エンジン本体に装着していきます。
同時にスパークプラグを交換していきます。
スパークプラグの比較です。取り外したスパークプラグは長年使い込まれたことが写真からも分かります。
またプラグホールパッキンから漏れたエンジンオイルがプラグに付着していました。
スパークプラグ交換後、各部ホースやハーネス類、イグニッションコイルなど交換に際し取り外した補器類を復元し、タペットカバーパッキン交換、スパークプラグ交換は完了です!
メンテナンス後のエンジンルームはタペットカバーがきれいになったことでとても華やかです。
エンジンルームを見るのも楽しみになります!
● ドアロック交換
キーレスにてドアがロック・アンロックできない状況でした。
点検の結果、右ドアロックが故障していましたので、ドアロックの交換を行います。
ドア内張りを分解していきます。
取り外したドアロックです。
新品のドアロックに交換していきます。
ドアロックの位置を調整し、交換作業は完了です。
キーレスにて作動確認をし、メンテナンスは終了です!
この度は入庫頂きありがとうございました。
今後もよろしくお願い致します。
クーペをはじめマセラティ 4200系まだまだ現役です!!
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Tel:045-849-3031
Mail:info@miracolare.co.jp
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