クーペ カンビオコルサ メンテナンス日記
2018年07月22日
マセラティ クーペ カンビオコルサ メンテナンス日記
埼玉県にお住いのO様。最近クーペを購入したので、点検とメンテナンスして欲しいとのご依頼を受け、メンテナンスをさせて頂きましたので、ご紹介いたします。
今回はエンジンオイルなどの油脂類交換に加えて下記のメンテナンスをさせて頂きました。
〜メンテナンス箇所〜
1、リアサスペンションジョイントブーツ交換
2、リバースTレバー修理
3、イグニッションコイル交換
4、エアマスセンサー交換・スパークプラグ交換
5、ドライブベルト一式交換
それでは作業の様子をご覧ください。
1、リアサスペンションジョイントブーツ交換
リアサスペンションジョイントブーツはリアサスペンションアームに装着されているパーツです。
ジョイント部分を保護し、異物や雨水などの侵入を防いでいます。アームのジョイント部分は人間で例えると関節の様な箇所で重要な部分です。
ブーツが破損しジョイント部分に異物などが混入すると、異音や重大なトラブルに繋がる為、ブーツが破損している場合は交換を強くお勧めしております。
重要保安部品ですので、ブーツに亀裂や破損があると車検を取得することができません。
しかし、このリアサスペンションジョイントブーツはメーカーからの単品供給がありません。
ブーツを交換する場合はアームごとの交換となってしまい、部品代だけで100万円以上かかってしまいます。
そこでミラコラーレオリジナルパーツ[BERTOCCHIリアサスペンションジョイントブーツ]に交換していきます。
作業前の状態です。破損したブーツの上からテープが貼られています。
これでは安全面はもちろんの事、車検も通ることができません。
分解しジョイント部分に入り込んでしまったゴミや砂などを入念にクリーニングしていきます。
クリーニング後、グリスと注入していきます。しっかりグリスを注入することでジョイントがスムーズに動き、異音なども防ぐことができます。
最後に新しいブーツを装着していきます。
4箇所全てのリアサスペンションジョイントブーツを交換し、作業は完了です!
2、リバースTレバー修理
バックギアに入れるためのリバースTレバー。近年、リバースTレバーが内部破損している車両が多くなってきています。今回ご紹介のクーペもレバー内の破損により、レバーがプラプラになっていました。
バックギアに入れる際、本来はレバーを持ち上げながら操作しなければバックギアに入ることはありませんが、レバー内部が破損していると、持ち上げなくとも簡単にバックギアに入ってしまいます。
不意に手が触れた時など、意図せずバックギアに入ってしまい、事故などに繋がる恐れがあります。
またレバー内部の不良はギアポジションの異常検知により、セーフティ機能が働きエンジンが始動できなくなるケースもございます。
ドライブの際は必ずと言っていいほど操作する部分ですので、しっかりメンテナンスを行う事が重要です。
しかし、リバースTレバーは部分交換すると部品だけで20万円近くかかってかかってしまいます。
コスト的にも簡単に交換できるものではありませんのでミラコラーレでは可能な限り修理を行います。
分解修理を行う事で、メンテナンスコストを大幅に抑えることが可能です。(内部破損が激しい場合、レバーが大きくガタついている場合は修理ができない場合もございます)
リバースTレバー破損の一番の原因はバックギアに入れる際、持ち上げず無理やり操作してしまう事です。
レバー内部のガイドが耐え切れず、内部破損を起こしてしまいます。
レバーが正しく作動する様、ガイドを修正しリバースTレバー修理は完了です!
3、イグニッションコイル交換
テスター診断の結果、6番イグニッションコイルからエラーが発生していました。ミスファイヤはエンジンにも負担となるため為、イグニッションコイル交換を行います。
車両から6番イグニッションコイルを取り外します。
イグニッションコイルの周辺のハーネスの中には、被覆が劣化しボロボロになっているものがありました。
ハーネスがむき出しの状態では、断線などのトラブルはもちろんエンジンの熱による熱害を受けることもあります。
一つ一つしっかりとハーネスを保護していきます。
後期型クーペも生産から10年以上が経過し、ハーネスの様に少し疲れが見える箇所も増えてきました。
トラブルなどの原因にならない様、隅々までしっかりメンテナンスをしていきます。
エンジンを始動させ、エラーの発生や点火時期に問題が無いか確認し、イグニッションコイル交換は完了です!
4、エアマスセンサー交換・スパークプラグ交換
エアマスセンサーを点検した所、オイルなどの汚れが付着していました。
エアマスセンサーはエンジンに吸入する空気量を測定しています。センサーがオイルなど汚れが付着していると正確な吸入空気量が測定できず、エンジン不調を起こしてしまいますので、エアマスセンサー交換を行います。
また今回はスパークプラグも同時に交換し、点火系のリフレッシュを行います。
写真のパーツがエアマスセンサーです。
エアマスセンサーはエアクリーナーとスロットルボディの間に装着されています。
インテークスリーブ、スロットルボディを取り外して作業を行います。
スロットルボディを取り外すと裏側にはブローバイとは違う大量のオイルが付着しています。
このオイルの正体はエンジンオイルです。
クーペのエンジンはドライサンプ方式を採用している為、エンジンオイル量の調整がシビアです。エアフロセンサー不良を起こしている車両は、エンジンオイル量が多く入ってしまったことでオイルが逆流してしまい、エアフロセンサーまでオイルが逆流してしまっているケースが半数以上です。
今回のエアフロセンサー不良もエンジンオイルがスロットルボディを超えてエアフロセンサーまで逆流してしまったのが原因でした。
スロットルボディをしっかりクリーニングした上で、エアマスセンサーを交換します。
エアマスセンサー交換後はスパークプラグを交換し点火系のリフレッシュを行います。
イグニッションコイルを取り外し、スパークプラグを交換していきます。
スロットルボディクリーニング、エアマスセンサー交換、スパークプラグ交換をしたことでアイドリングが安定し、高回転まで綺麗に吹け上がるようになりました!
5、ドライブベルト一式交換
オルタネーターやパワーステアリングポンプなど走行において重要な部品を作動させるためのドライブベルト。近年、ドライブベルトの劣化によりお車が不動になってしまうなどのトラブルが多く発生しております。
特にアイドラー(プーリー)の劣化により、プーリーが欠落しエンジンが始動できなくなるケースが多く発生しております。
ミラコラーレでは長らくドライブベルト本体はもちろん、アイドラー、テンショナーもしっかり点検し、劣化が見られる場合や長らく交換していない車両は交換することをオススメしております。
ベルト本体に加えてテンショナー、アイドラーを交換していきます。
ベルトを取り外し、アイドラーを交換します。
取り外したアイドラーを確認すると、ベアリング部分から音がしゴロゴロと引っかかる感じがします。
エンジン作動時はもちろんですが、停止時においても常にドライブベルトのテンションがかかっている部分ですので負荷がかかりやすいパーツです。新しいアイドラーに交換します。
アイドラー、テンショナー交換後、ベルトを各プーリーにかけ、ドライブベルト交換は完了です!
今回はリアサスペンションジョイントブーツやリバースTレバー、ドライブベルトなど安全に走行する上で重要な箇所を重点的にメンテナンスさせて頂きました。
「マセラティを購入したけど今後のメンテナンスが心配」、「どこをメンテナンスしたらいいかわからない」、「もっとドライブを楽しめるようにしたい!」など、マセラティに関するご相談などお気軽にお問い合わせください!
ミラコラーレではオーナー様にとって楽しいマセラティライフとなるようお手伝いをさせて頂きます!
O様、この度は入庫頂きありがとうございました。
今後もよろしくお願いいたします!
メンテナンス、カスタマイズはもちろん、ボディリペアまでマセラティの事なら何でもお任せ下さい!
株式会社ミラコラーレ
横浜市港南区港南中央通7−18
Tel:045-849-3031
mail:info@miracolare.co.jp
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